2017-06-14

売れないミュージシャンでロックな生活を送ってた彼が選んだ道はパン屋さん【後編】

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【中編はこちら】

自分の思い出の商店街に戻したい、という夢が持てた。自分のやりたいことがちゃんと見つかった。

アーノルドフジ・タカムラ

2017年4月にリニューアルオープンしたアーノルドフジ・タカムラ

故郷の芝山に帰ってきたばかりのころ、なんだかよそよそしい商店街になっていた事にショックを感じていた高村さんは、自分のやりたいことが「子供の頃に毎日見てきた自分の思い出の商店街に戻したい」という事に気づいた。

団地や近隣に住んでいるおじちゃんおばちゃんたちに気軽に「元気ー?」と声をかけられるような商店街にしたい、それを叶えるための一歩として、40年間パン屋を続けていた父親の跡を継ぎ、2017年4月に店をリニューアルオープンさせた。

アーノルドフジ・タカムラ

店内は温かみのある内装。新たにイートインスペースも設置された。

【アーノルドフジ・タカムラの改装を担当されたプレアホームさんのホームページはこちらから】

アーノルドフジ・タカムラ

店の看板を工夫し、焼きながら店の外にパンの焼きあがりを知らせる「しゃべる看板DJパン屋」などユニークなアイディアで商店街の活気を取り戻そうと画策中だ。

アーノルドフジ・タカムラ

千葉県初?!史上初?!のDJパン屋さんの誕生。

店に立っているとうれしいこともある。

「来てくれるお客さんから「思い出の場所だからパン屋が残っててうれしい」と言われたんですよ。パンの配合とか変わってないのに「食パンがおいしい」って言われたり。うれしいけど、前からおいしいから!親父のパンなめんなよ(笑)って逆に思ったり」

アーノルドフジ・タカムラ

今も現役バリバリのパン職人の父親。

その「食パン」は高村さんが思い入れの強いパン。

パン職人である父親が研究に研究を重ねて生み出したパンで、店の顔でもあるという。

きめ細かくていつまでも柔らかいその食パンは、一度食べたら忘れられない絶品のパンである。

「おいしいと言われるとうれしいけど、一番うれしいのは「続けてくれてありがとね」と言われて事。オレからするとお客さんの方が来てくれたありがとねのはずなのに、お客さんから「ありがとう」と言われる。そう言われると気合も入るし、お客さんに対して感謝の気持ちでいっぱいになりますね」と語る高村さん。

アーノルドフジ・タカムラ

イベント開催時の商店街は県内外から多くの人が押し寄せる。

自分の生まれ育った商店街。自分の店。変わらないパンの味。

商売人として接するのでなく「町の子供」として帰ってきた「パン屋の息子」を周りが喜んでいる。

高村さんは自分の夢をこう語る。

「今の子供が大人になったときにもう一度ここへ帰ってきて、子供を連れてパン屋に来て、お父さんこれ食って育ったんだぞ!と自慢げに話す姿を見たいですね。いや、今でもその光景は見られるんだけど、まだ親父のパンの味だから。オレのパンの味で子供に自慢げに語ってほしいです」

子供だけでなく、リニューアル後に控えている介護施設などへのパンの外売りも徐々に復活するとのこと。

せーたんが焼くパン、せーたんが運ぶパンで笑顔になれる人が、今後もどんどん増えるに違いない。

アーノルドフジ・タカムラ

アーノルドフジ・タカムラの「DJ看板」から今日も焼きたてパンのお知らせが聞こえてくる。

「ママ、パン屋さんやってるよ」

「じゃあパン買って帰ろうか」

「やったー」

そんな何気ない会話が世代を超えてずっと続くため、芝山団地商店街で彼は今日も、みんなのためにパンを焼いている。

《完》

 

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